Please Look After Mom 母をお願い

Gabaのインストラクターが進めてくれたので申 京淑さんの"Please Look After Mom" を英訳で読んでいます。海外の本を読むときは日本語訳よりもたいてい英訳のほうが気持ちよくよめます。日本語ネイティブとしては日本語の場合いろいろ細かいことが気になってしまうのかもしれません。以下ネタバレなしです。

 

【おもしろいところ】

さて、まだ読んでいる途中なのであらすじは書けませんが、なかなか興味深い本です。なによりも二人称での記述が登場します。最初の章では作者らしき主人公の気持ちを中心に話が進むのですが、"She"ではなく”You"ですすみます。最初は変な感じもしますが、だんだん慣れてきます。

 

【二人称の効果】

読者としては一人称で書いてもらったほうが主人公と自分を同一視してはいりこみやすいと思いますし、多くの小説でそういうスタイルがとられていると思います。しかし、実際二人称小説を読んでみると読者としては誰かからいちいち登場人物の代わりに自分が問いかけられているような気持ちになり、そういう意味では読者は強制的に登場人物の気持ちにはいりこまされる、ところがあります。

 

【ストーリーについて】

年をとった田舎に住むお母さんが都会で行方不明になる、という話なのですが、やっぱりおとなりの国ということもあり、日本人はすんなり感情移入できそうです。家族のコンセプトは似ているところがあるんですかね。今読んでいる箇所ではリアリズムから離れていきそうな雰囲気もあり、その辺も興味深いです(想像するに多分終わりまで読むとリアリズムなんではないかと。)。

 

日本語で読んでもいいでしょうし、韓国語で読める方は韓国語でどうぞ。英語は平易でInternational englishという感じで読みやすいと思います。ではまた。